2009年7月4日

押せば逃げる

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 11:11 PM

トライデントスポーツ医療科学専門学校 子どもスポーツインストラクター専攻の実技実習にて。

「うんどう療育学」4人目のクライアントは5歳の軽度発達障害が感じられるお子さん。

電車が大好きで物静かなお子さんですが足元に意識が弱く、歩きも不安定なために個人レッスンでは跳び箱登りや平均台渡りを中心に半年間進めています。

実習風景実習風景

カルテを参考に学生らはスクーターボードに座った状態で足で前に進ませることで、座面での姿勢保持でバランス感覚を養いながら脚力を付けさせようと考えました。

狙いは見事に的中。「アーバンライナー」「地下鉄」「本陣駅に着きました」などと声を出しながら楽しくサーキットを行っています。

が、普段のレッスンで厳しく行っている私と違い、学生らは優しすぎるために会員様は見事に「今日は自由にできそう」と見抜いて、電車あそびだけに“脱線”し始めました。

学生達は設定したレールに上手に流れていく事を願ってレッスンを進めていますが、会員様が脱線し始めるとあそびにルールが加わり規制し始めます。規制が入るとさらに脱線し始めます。

療育レッスンに限らず子ども達は道草をしたいものです。途中下車や乗り継ぎをあそびの中で考えながら行っているのです。その行為に反して特急に乗せようとしてもなかなか座席に座ってくれません。

軌道から外れたら分れ道をたくさん作ってあげるのも1つの手法です。最終的に終着駅に行くためにどのようなルートを考えればよいかを会員様の興味をもとに導く事が必要となってきます。

電車に例えましたが、一見“脱線”にみえる内容でも興味があるレッスンであれば幸いです。

子ども達の行動に無駄は1つもありません。



2009年6月30日

不規則に並べる

Filed under: プレジャートレーニング,保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 12:44 AM

肋木を使ってはしご渡りをしてみました。

肋木渡り始めは板間に沿って規則正しく並べ渡りますが、慣れてきたら感覚を不規則に並べて渡ってもらいます。

同じリズムで歩いたり走ったりするのは慣れてくるにつれ、体が覚えても脳が無意識になりがちです。

不規則にすることで、体の慣れ+脳で意識する という運動に発展します。

徒競走よりも障害走、自由形よりも個人メドレーと、展開が変わる種目のほうが難しさが増します。

規則性と不規則性、強と弱、緊張と脱力、加重と抜重 を考えたトレーニングが子ども達の「あそび力」をさらに伸ばします。



2009年6月27日

勉強をするタイミング

Filed under: やらなカン,保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 5:38 PM

「学生時代にもっと勉強をしておけば良かった・・・。」 と思う人は多くいると思います。が、本当に学生時代に戻れたとしても誘惑(邪念)に負けて勉強はそっちのけでしょう。

当たり前ですがこの言葉は社会人になって仕事につまづいたり専門性の高い職種で技術が振るえない人が発することが多いでしょう。

学生時代にはその必要性はわからなくて当然で、社会に出てから重要性に気付くのです。決してそれからでも遅くはありません。後は自分自身がそのスイッチを押せるかどうかなのです。思い悩むことよりもまずは実践です。最適な勉強方法を見つけた時は凄まじい勢いでレベルアップをします。

先日のブログでも告知しましたが、5人のスタッフが金沢まで勉強に行っています。彼ら自身、勉強が必要と判断して休日返上で3日間缶詰になっています。そのスキルが発揮できるかは未知数ですが、会社命令で行く勉強会よりは数十倍も身につけてくることでしょう。

将来のスキップの財産として、子ども達のスキルアップの担い手として、一回り大きくなって帰ってくる事を期待しています。

寝るなよ!!



2009年6月25日

見守るのも大切

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 11:59 PM

トライデントスポーツ医療科学専門学校・子どもスポーツインストラクター専攻の「うんどう療育学」実習にて。

高さにだんだん慣れてきたお子さん。通常レッスンでは運動機能の向上を主訴に作業療法的なレッスンを行っています。

お子さんにとってはいつものアリーナなのに大人がたくさんいる。池谷先生がいない。かなりの緊張だったと思います。

学生達と挨拶をした後にレッスン開始。

「準備体操で壁を登ろう!」

ウォールクライム左下の鈴を鳴らすのが課題。頑張って上には登ったものの平行移動が出来ません。

「一度降りてみる?」

「うん」

降りるほうが時間が当然かかるのですが、「もう一度やってみる」と果敢に攻めるお子さん。

20分ほどで鈴を鳴らし課題はクリア。この間、アドバイスはするものの学生達が手を出して補助をすることはありませんでした。

時間がかかるとどうしても次の事が気になり、課題を与えてながらも手伝ったり削除したがるものですが、子どもの可能性を引き出すために待つことの重要性もレッスンの中では必要です。

今回担当だった学生は子どもを可能性を信じて待つことが出来ました。教えることよりもこれが実は一番難しいのです。

ちなみにこの会員様。ウォールを登りきったことは今回が初めてで、お母様も感動しておられました。それを知った池谷が次の日の個人レッスンで登らせたら中腹で止まってしまったようです。

知らない大人の中でかなり緊張していたのでしょうね。



2009年6月22日

一部、レッスン中止のお知らせ

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 11:59 PM

今週末の6月27日(土)・28日(日)の両日、近藤西手池谷山川吉田の担当となっている会員様におかれましては、日本感覚統合学院主催のセミナーのため、金沢まで出かけますので、勝手ではございますがレッスンを中止とさせて頂きます。

この2日間の勉強をお土産に、今後も運動レッスン・療育レッスンを充実させていきますので今後ともご理解の程、宜しくお願い致します。



2009年6月17日

無計画からの反省

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 10:22 PM

トライデントスポーツ医療科学専門学校・子どもスポーツインストラクター専攻2年の実習にて。

うんどう療育学の実技実習2日目。本日のお子さんは活動的な年中の男の子。ほとんどの課題を難なくこなすほどの運動神経の持ち主。ただ、規制が入るとジッとしている事ができず、待つ・座る・立っているなどの事は大の苦手。

レッスンモデル今回の学生は事前に渡されたカルテを見ながらも何をしていいのかがわからない様子。50分のレッスンで持ちネタをほんの15分で出し尽くしてしまった。

そうなると子どもが主導権を握り「これをやろう」「あれがやりたい」「それはやだ」「もうあきた」のオンパレード。

学生は今から追いかけるように準備をするのが精一杯。

レッスンモデル当然反省会ではその他の学生からの指摘が待っており、実習も含めてキツイお灸を据えられていました。

完璧にやらなくてもいいのです。完璧にはできませんから。50点でいいのです。でも100点を目指す意気込みでやらなくてはいけません。

子ども達のレッスンは計画通りにいかないものです。だからと言って無計画ではいけません。

この日の1人は指導面からは0点だったかもしれませんが、他の学生達に「これではまずい」という思いを吹き込ませた点からは100点だったでしょう。

子ども達から学ぶことが本当に多く毎日が勉強です。座学や教科書も大事ですが脂汗をかいた事で大変いい経験をしたのではないでしょうか。



2009年6月8日

補助をする時。補助をしない時。

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 9:47 PM

毎日のレッスンの中で主訴に近づいている子や、苦悩の末に達成できた子を数多くお世話しています。レッスンを受けた子はすべてが宝です。宝を光らせるためにありとあらゆる手段を使って最終的に自分で輝けるように、「あと少し」を手助けしています。

べったりと補助をしている時の方が子ども達も安心をするでしょうが、それでは獲得にはなりません。最終的には1人で出来て初めて完成なのです。

補助をしてもらう時は「練習」「学ぶ」。1人で挑戦する時は「試練」「鍛錬」です。

仕事でも同じで、教えてもらえるうちが華。いずれは1人でやらなければならないときが来るでしょう。

今日、カルチャースクールの「体育・プレジャートレーニングクラブ」で、児童コースの1人が逆上がりを完成させました。補助するタイミングでは励まして、補助をしないタイミングではやれる気にさせ見ていないフリをする。 

あら! できちゃいました。 

「先生見ていなかったからもう1回!!」

「見てなかったの?仕方ないなー。もー」

そんなやりとりの中でのレベルアップが理想です。



2009年5月14日

キャッチングの工夫

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 11:59 PM

野球やドッヂボールを始める時にまずといっていいほど1番にやる事といえば「キャッチボール」。お父さんとお子さんのこれがなかなか難しい。

たまの休みにグローブをはめて相手をするものの、構えたところに飛んでこない。優しく投げてもボールが捕れずに追いかけっこ。10分もしないうちに「もうやめた。」となってしまう事ありませんか?

そこで一工夫。ホースのフープを作ってみましょう。

フープ材料はホースとジョイント。

ホームセンターなどでメーター売りのホースを1m間隔に切り、ホース用のジョイント(それに変わるものでも可能で繋ぐだけ。

 

 

フープキャッチほぼ9割がたキャッチングをする事ができます。ボールとは違い、捕りやすく投げやすい。

投げる時はオーバースローで投げる事はないと思いますが、導入段階ではそれでOKです。狙ったところに投げる事と距離を考えてつく様に投げる事を重視します。

円盤投げ・アンダースローなどいろいろな投げ方を試し、自分に適した投げ方を開発していきます。

次にボールとフープを混ぜ合わせて投げる事でキャッチングの際の手の形(構え)ができてきます。ボールのほうが当然捕球は難しいですが、捕る事が楽しくなってくれば投げる事も同じくらいに楽しくなってきます。

今度の休日は是非挑戦してみてください。



2009年4月20日

先生と呼ばれる人たちへ

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 9:26 PM

今朝のラジオでの話。

「先生と呼ばれて親御さんは頭を下げてくる。しかしここで間違えてはいけません。親御さんが頭を下げているのは、あなたにではなく、あなたについている「先生」という肩書きにです。」

私も「先生」と呼ばれる仕事をかれこれ18年しています。先生と呼ばれて嫌な気持ちにはなりません。のぼせた時期もあります。親御さんは子どもの前だから頭を下げてくれたのでしょうし、子ども達も私の前では正しい姿勢になります。しかし個人的には私に合わない人も数多くいるでしょうね。

先生達よ。この仕事を誇りに思うべし。しかし、のぼせることなかれ。 子ども達がいてこその「先生」です。



2009年3月7日

100%頑張って50%

Filed under: 保育・指導のツボ — スキップ江原 @ 9:32 AM

指導者の満足度、子ども達の満足度、親御さんの満足度。それぞれ差はあると思います。

スキップに登録している子ども達のほとんどは運動に対していくばくかの苦手意識があり、「○○が何とかできるよう・・・。」という親御さんの願いが強い中で、子ども達は「今日も楽しいレッスンだといいな」が本音だと思います。

会員様(子ども)の期待としては、
・今日は何をしてくれるのかな?
・この前やったことの続きがしたいな。
・先生とレッスンするのが楽しみだな。  etc

親御さんの期待として、
・普通でいいから目立たなくしてほしい。
・普通くらいのレベルにしてほしい。
・出来る限り早く上達してほしい。
・もっと厳しくしてほしい。  etc
 
指導者として、
・レベルに応じたレッスンをするにはどの力をつけさせた方がいいか?
・楽しく身につけさせるためにはどうしたらいいか?
・何に興味があって、如何にそこから引き出すか?
・主訴の到達への早道は何か?  etc

指導者が100%レッスンに励んでも会員様が主訴の達成に至らなければ結果的には満足度は80%以上でしょう。

指導者が100%頑張っても親御さんが納得できなければ、これも結果的には80%にもとどかないでしょう。

会員様や親御さんが「ありがとうございました。」と笑顔で帰って行かれても、指導者として納得がいかなければ80%の時もあるでしょう。

指導者が120%頑張って満足度は70%。140%頑張って80%。 でも200%頑張ったとしても100%の満足をしていただけるかどうかは未知数です。

スキップスタッフは、会員様・親御さん・スタッフ、それぞれの満足度が100%に限りなく近くなるように今後も努めてまいります。



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