押せば逃げる
トライデントスポーツ医療科学専門学校 子どもスポーツインストラクター専攻の実技実習にて。
「うんどう療育学」4人目のクライアントは5歳の軽度発達障害が感じられるお子さん。
電車が大好きで物静かなお子さんですが足元に意識が弱く、歩きも不安定なために個人レッスンでは跳び箱登りや平均台渡りを中心に半年間進めています。
カルテを参考に学生らはスクーターボードに座った状態で足で前に進ませることで、座面での姿勢保持でバランス感覚を養いながら脚力を付けさせようと考えました。
狙いは見事に的中。「アーバンライナー」「地下鉄」「本陣駅に着きました」などと声を出しながら楽しくサーキットを行っています。
が、普段のレッスンで厳しく行っている私と違い、学生らは優しすぎるために会員様は見事に「今日は自由にできそう」と見抜いて、電車あそびだけに“脱線”し始めました。
学生達は設定したレールに上手に流れていく事を願ってレッスンを進めていますが、会員様が脱線し始めるとあそびにルールが加わり規制し始めます。規制が入るとさらに脱線し始めます。
療育レッスンに限らず子ども達は道草をしたいものです。途中下車や乗り継ぎをあそびの中で考えながら行っているのです。その行為に反して特急に乗せようとしてもなかなか座席に座ってくれません。
軌道から外れたら分れ道をたくさん作ってあげるのも1つの手法です。最終的に終着駅に行くためにどのようなルートを考えればよいかを会員様の興味をもとに導く事が必要となってきます。
電車に例えましたが、一見“脱線”にみえる内容でも興味があるレッスンであれば幸いです。
子ども達の行動に無駄は1つもありません。